記事007の画像(救済Ⅰ)

No.007
塩漬け株の救済 ~ 方法Ⅰ ~

救済方法Ⅰ

前回に引き続き、「塩漬け株」シリーズの第2弾となる今回のテーマは「救済」です。いよいよその方法についての解説をしますので、実際に「塩漬け株」を持っている方には必見の内容となります。

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 No.006 塩漬け株の恐怖

前提知識

それではさっそく手法を解説致します、と言いたいところですが、今回の「方法Ⅰ」では「難平買い」という手法をフル活用しますので、まずは「難平買い」について解説させていただきます。

「難平買い」とは、保有している株が値下がりした際に、買値よりも安い価格で株を買い足すことによって、取得平均を下げる手法となります。

例えば1株を100円で買い、それが50円まで値下がりしたと想定した場合、50円の株を1株追加取得しただけで取得平均は75円にまで下がります。(図1)

図1
[ 難平の計算式 ]

図7-1(難平買い計算)

取得平均が下がれば塩漬け状態からは抜け出しやすくなりますので、救済には打って付けの手法となるのですが、その反面ポジションの低い株をより多く保有することになるため、含み損が更に膨れ上がる危険性もあります。

ですので、いまから解説する手法とご自身で保有している株の状況が少しでも違うと感じた場合には、必ず実施を見送って下さい。状況や実施するタイミングを見誤ると、手法が逆効果となる恐れがあります。

またこれはどんな手法に対しても言えることですが、手法とは成功率を上げるための手順でしかなく、100%の成功保証はありませんので、あくまでもご自身で納得がいく場合にのみ、自己責任での実施をお願いします。

塩漬け株の救済方法

それでは前置きが長くなってしまいましたが、塩漬け株の救済方法を解説致します。

手順1 平均推移を見極める

まず最初に実施するのは、その銘柄の平均推移を見極めることです。

通常の銘柄の場合、株価の変動範囲は定まっておらず、その推移を見極めることは非常に困難となりますが、塩漬け状態となっている銘柄に関しては、多くの場合が平均推移を持っており、次のようにそれを見極めることができます。(図2)

図2
底値と上限値に横線を引いたチャート(突発的なイベント込み)

図7-2(平均推移を記入したチャート)

これは短期の移動平均線に対して上限値の線と下限値の線を引いたチャートであり、こうすることによってこの銘柄の平均推移を見極めます。ただしこの時気を付けなければならないのは、イベントによる突発的な変動を含めてはならないということです。

図2でいえば、①で大きく下限値を下回っていますが、これは材料による一時的な変動であり、次にいつ発生するか分からない不確定なイベントであるため、ここでは除外しております。

この様にその銘柄における平均推移を見極めるにはそれなりの調査を必要としますが、毎日すがる思いで塩漬け株の動向を眺めていたみなさんにしてみれば、これは造作もない作業なのではないでしょうか。

手順2 下限値近辺で「難平買い」をする

次はいよいよ「難平買い」の実施となりますが、まずは株価が平均推移の下限値に接近するまで待ちます。

そして株価が下限値へ接触するか、もしくはそれに近い値で停滞し、短期の移動平均線が上向きへと変わったポイントが「難平買い」のエントリーポイントとなります。(図3)

図3
難平買いのポイント

図7-3(難平買いのポイント)

ここで対象銘柄に対する追加の買い注文を入れますが、購入株数については現在保有している株数と同数、もしくはそれ以上で可能な限り多くの株を買い付けて下さい。

「難平買い」の実施後は株価が平均推移の上限値に到達、もしくはそれに近い値まで回復するのを待ちます。

手順3 上限値近辺での「損切り」を実施する

そして次はみなさんにとっての正念場となる「損切り」の実施です。

「難平買い」を実施したことにより取得平均額はかなり下がっているとは思いますが、それでも平均推移の上限値では損失の解消には至らないと思いますので、ここが損切りポイントとなります。(図4)

図4
損切のポイント

図7-4(損切のポイント)

もちろん株価がそのまま上昇を続けるようであれば、それはそれで流れに任せて取得平均に到達するのを待てばいいのですが、そうはならず、短期の移動平均線が下を向いてしまうようであれば、「損切り」を実施してください。

「損切り」は、本来であれば全てを売ってしまうのがベストなのですが、いままで含み損しか経験したことがない方に取っては、それこそ断腸の思いとなるはずですので、ここでは所有株の半数に対して売り注文を出してください。

この時、含み損の半分が損失として確定されてしまいますが、後にこの分の損失額も救済しますので、金額は控えておいてください。
そして次に株価が平均推移の下限値に近付いてきたら再度手順2に戻り、今度は損切りで得た資金を使って「難平買い」を実施するのです。

これは含み損の金額にもよっても違ってきますが、おそらく2周もすれば含み損と「損切り」で確定した損失分は全て取り戻せると思います。

成功率を上げるために

以上が、「方法Ⅰ」による塩漬け株の救済方法となりますが、この救済方法には補足と提案があります。

初回実行時における補足

まずは補足ですが、もし手順2の「難平買い」を実施するにあたって、資金が不足していて実施することができないという方は、この手順を飛ばして手順3の「損切り」から実施していただいても問題ありません。

ただしその場合には繰り返す回数が増えてしまいますので、救済にはそれ相応の時間が掛かることになります。

手法の効果を上げる提案

そして次に提案ですが、手順1を実施した際、これから株価が上昇しそうな銘柄に関しては、この記事のコメント欄を利用して情報共有をしてみてはいかがでしょうか?

これから上昇する可能性が高い銘柄情報は他の閲覧者に取っても有益な情報となりますので、例えば手順2の「難平買い」の資金に困っている方やこの情報に賛同した方が株を取得してくれれば、その株価は上昇することになりますので、情報を提供した側にも恩恵が発生することになります。

つまり互いに取ってWin Winの関係になれますので、是非ともコメント欄をご活用ください。

コメント欄に記入するテンプレートは下記に用意しましたので、よろしければコピーしてご使用ください。(図5)

図5
テンプレート

①銘柄名      :
②コード      :
③平均推移の上限値 :
④平均推移の下限値 :
⑤現在の株価    :

みなさんで力を合わせ、塩漬け株を救済しましょう。

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