株が塩漬けになる要因とは?
記事を順番通りに読まれていた方には大変お待たせいたしました。いよいよこのサイトのメインテーマでもある、「塩漬け株」についての解説をさせていただきます。
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避けるべき3つの要素
みなさんは株が塩漬け状態に陥りやすくなる3つの要素をご存知でしょうか?
もちろん知らないからこそこのサイトにたどり着かれたのかもしれませんが、実は知っていたのに塩漬け状態になるのを防げなかったという方もいらっしゃると思いますので、どちらの場合であったとしても、初心に戻ったつもりで読んでいただければ幸いです。
1.東証一部上場以外の銘柄である
素人トレーダーが最も手を出してはいけないのが、この東証一部上場以外の銘柄です。
全てに該当する訳ではありませんが、中には株価が乱高下するような銘柄も含まれており、もし高値の時にそんな株を掴んでしまうと、そのまま塩漬けになってしまう可能性があります。
また驚くほど株価が安い銘柄も含まれているため、少ない資金で大きな利益を狙う一部のトレーダーには人気がありますが、それは同時に倒産のリスクもはらんでいるということになりますので、手を出さないに越したことはありません。
そもそも東証一部上場の銘柄は国内銘柄(約4000)の過半数を占めいますので、どんな銘柄を選択するにしろ、充分に事足りるはずです。
2.出来高が少ない銘柄である
出来高とは、その日に取引が成立した株数のことであり、銘柄の人気を示すバロメーターでもあるのですが、いくら東証の厳しい基準値をクリアしているとはいえ、一部上場銘柄の中にも出来高が少ない銘柄は数多く存在しています。
出来高が少ないと言うことは値動きが鈍くなるということですので、もしそういった銘柄を保有している際に悪い材料などで株価が急落してしまうと、その回復にはかなりの時間を要することとなり、結果塩漬け状態に陥ってしまうです。
ですので株を取引する際には、出来高をチェックする習慣を身に着けて下さい。
3.損切りの手法を知らない
当然ですが、損切りの手法を知らなければ適正な損切りポイントが分かりませんので、たとえ株価が下落し続けても、悲痛な思いで眺めることしかできません。
人によっては手法を知っているのにもかかわらず、それを実行に移せない方もいるようですが、これはもうルールであるということを肝に銘じ、きっちりと実行に移す訓練をして下さい。これができるようになれば、今後塩漬け株に悩まされることはありません。
ちなみに損切りの手法に関しては、下記の記事でやり方を解説していますので、参考にしていただけますでしょうか。
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No.008 負けない損切りポイント
以上が避けるべき3つの要素となりますが、これらを踏まえた上で、みなさんが塩漬け株を作るのに至ったと思われる経緯を見て行きましょう。
塩漬け株が作られる工程
おそらくみなさんは何らかの理由により後に塩漬け株となる対象銘柄を選択し、株価が上がることを見込んでエントリーをされたのだと思いますが、それが図1のような場合であったと想定して下さい。
上昇トレンドのチャート
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ちなみにこのチャートは東証一部以外であり、なおかつ出来高の低い銘柄のものとなります。
下がり始めたチャート
[表示足:週足] [期間:1年]
この銘柄に700円前後でエントリーしたところ、一時は1000円を超える勢いがあり、もう少し上がるのではないかと見込んでいたのですが、急に雲行きが怪しくなり、株価が下がり始めました。(図2)
まだこの段階ではみなさんもそれほど危機感は感じていないでしょうから、「また上昇してくるだろう」という思いで様子を見ていたのではないでしょうか。
更に下降を続けるチャート
[表示足:週足] [期間:1年]
ところが株価は更に下降を続け、上昇する気配がありません。(図3)
それでも辛抱強いみなさんは、株価が回復することを頑なに信じ、株を手放すことはありませんでした。
ですが実はこの時、みなさんは運命を大きく分ける分岐ポイント、つまり損切ポイントを見過ごしていたのです。本来であれば670円前後で損切するのが正しい対応であり、それができていれば塩漬け株が作られることはなかったのです。
ちなみに、なぜ670円前後なのかという理由は、下記の記事を読んでいただければご理解いただけると思います。
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No.008 負けないための損切りポイント
下降が止まらないチャート
[表示足:週足] [期間:1年]
残念ながら株価の下落は止まりません。(図4)
いくら悠長なみなさんでも、この頃には自分判断ミスに気付き、後悔の念に捕らわれ始めたのではないでしょうか。
回復の兆しを見せるチャート
[表示足:週足] [期間:1年]
下がるだけ下がった株価は底値に到達したのか、回復の兆しを見せ始めました。(図5)
すっかり落胆していたみなさんは、すがるような気持ちで再び株価の上昇を信じたのではないでしょうか。
再び下降を始めるチャート
[表示足:週足] [期間:1年]
一時上昇を続けていた株価ですが、エントリーポイントには程遠い地点で再び下降し始めました。(図6)
こうなってくると、みなさんの胸の中には嫌な予感が芽生え始めたのではないでしょうか?
塩漬け状態となったチャート
[表示足:週足] [期間:3年]
そしてこの後株価は、底値とこのポイントの間をひたすら上下するようになり、今日にまで至ってしまいました。
悪い予感が的中です。みなさんは塩漬け株の株主となられたのです。
実はこれは、この銘柄における株価の平均推移であり、何か良い材料が発生しない限りは、株価がこの領域を出ることはないのです。
つまりみなさんは、この銘柄が数年に一度の急騰を見せた際に株を掴んでしまい、現在はいつ再来するかも分からない急騰を心待ちにしている状態なのです。
さすがにみなさんも、ここまで来れば塩漬け株の恐ろしさは痛感されていると思いますが、塩漬け株の恐ろしさはこれだけではありません。場合によっては、その会社が経営不振を抜け出せないまま、株式上場を取り消されてしまう危険性だってあるのです。
ですので塩漬け株は、一刻も早く救済してあげなければならないのです。
実際の救済方法については下記の記事で解説をしていますので、是非ともご参照ください。
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No.007 塩漬け株の救済 ~ 方法Ⅰ ~