トレンドを知るためには?
ローソク足の解説に引き続き「何をいまさら」と思われるシリーズの第2弾として、今回は移動平均線を解説します。
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No.003 ローソク足の読み方
こちらの記事も初心に戻った気持ちで読んでいただければ何か発見があるかもしれませんので、どうぞ最後までお付き合いください。
移動平均線の基本
まずは概要となりますが、移動平均線とは一定期間の終値の平均値を割り出し、それを線で結んだ指標となります。
5日間の平均であれば5日移動平均線ですし、25日間の平均であれば25日移動平均線といった具合で、たいていの証券会社はこれに75日を加えた3本線を短期線(5日)中期線(25日)長期線(75日)とし、デフォルトの移動平均線としてチャートに載せていることが多いようです。
そしてこの移動平均線の読み方ですが、その向きによって現在のトレンドを知ることができます。
過去と比べて現在が下へ向かっているのなら下降トレンド(図1)、過去と比べて現在が上に向かっているのなら上昇トレンド(図2)となり、最も強いトレンドは短期線、中期線、長期線の全ての線が上もしくは下に揃って向いている状態の時となります。
強い下降トレンド
強い下降トレンド
強い上昇トレンド
強い上昇トレンド
またこのような強いトレンドが発生する前には必ず、移動平均線同士がクロスしてポジションを変える現象が見られるため、期間の短い移動平均線が自身よりも期間の長い移動平均線を上から下に抜ける事象をデッドクロス(図3)、逆に期間の短い移動平均線が自身よりも期間の長い移動平均線を下から上に抜ける事象をゴールデンクロス(図4)と言い、売り時や買い時のサインとして使用されます。
売りのサイン
デッドクロス
買いのサイン
ゴールデンクロス
このデッドクロスやをゴールデンクロス活用している人は多いため、出来高が高い銘柄であれば、その通りに遷移する可能性が高いのです。
と言った感じで、ここまでが一般的な移動平均線の解説となりますが、本当に重要なのはここからです。
そのままでは使えない!
すでにみなさんは移動平均線を活用されているとは思いますが、その使い方は本当に合っているのでしょうか?
そもそも証券会社がデフォルトとして設定している移動平均線は短期線が5日、中期線が25日、長期線75日となっていますが、この組み合わせでは下記のどのトレードスタイルとも合いません。(図5)
図5
トレードスタイル
デイトレード
スイングトレード
ポジショントレード
デイトレードに関しては1つも当てはまらないため除外しますが、スイングトレードであった場合には75日線は長すぎますし、ポジショントレードであった場合には5日線は短すぎます。つまり3本の移動平均線を使用するためには、その設定値をカスタマイズしなければならないのです。
これはあくまでも一例ですが、下記のようにデフォルトの設定値を1か所変更するだけでも、各段に使い易くなるはずです。(図6・図7)
スイングトレード
5日、10日、25日
※75日線を10日線に変更
ポジショントレード
25日、50日、75日
※5日線を50日線に変更
今回は割合を「1:2:5」となるように調整しましたが、この割合は人や手法によって違ってきますので、それぞれベストとなる値を設定して下さい。
ちなみに、なぜ移動平均線は3本必要なのかというと、1本や2本では情報が足りず、全体の流れを読むことが困難だからです。
移動平均線はテクニカル分析です。テクニカル分析とは統計情報で見つかった法則のことであり、その性質上データ量が多ければ多いほど精度が上がりますので、逆にデータ量が少なければその精度は落ちることになります。
ですので移動平均線も、その本数が多いに越したことはないのです。
とはいえ、証券会社の多くは移動平均線を3本までしかサポートしておりませんので、みなさんも3本で分析をするという行為には慣れておいてください。
また下記の記事では簡単に設定値を変えて使用することができるWebチャートをご紹介しておりますので、是非ともご活用ください。
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