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No.015
大暴落への備え

大暴落は必ず訪れる

今回は、株式トレードをしている人なら誰でも一度は遭遇すると思われる、「株価の大暴落」について解説をさせていただきます。

大暴落の仕組み

みなさんは「株価の大暴落」に備え、何か事前に予防策などは取られていますでしょうか?

おそらく殆どの方が「NO」と回答される思いますが、それは無理もないことだと言えます。

誰だってトレードをする際に思い描くのは利益獲得のシナリオですし、損をする確率が高いトレードであれば、迂闊に手を出したりはしないでしょう。ましてやそれが大暴落に巻き込まれるなどという発想は、なかなか出てくるものではありません。

もし頭の片隅に、僅かながらでもそのような懸念があったとしても、「まさか今回のトレードに限っては、そのような事態になることはないだろう」と考えてしまい、結果として何も準備していないのではないでしょうか?

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ですが「株価の大暴落」は必ずやってきます。

株価は「ゆっくり上がり急激に下がる」という特性を持っているため、この急激に下がる現象が株式市場全体に波及してしまうと、いわゆる「株価の大暴落」が発生するのです。

ではどのような時に「株価の大暴落」は発生するのでしょうか?

その発端となる理由は様々ですが、結果としては人々が不安に駆られ、「売り」の衝動が連鎖してしまうことによって、株価が大暴落してゆくのです。

こうした事象は過去に何度も発生しており、世界規模で言えば「ブラックマンデー」や「リーマンショック」が有名ですが、国単位の規模でも発生するため、日本で起きた「バブル崩壊」や「ライブドアショック」などを含めると、大暴落は数年に一度は発生するものだと認識した方が無難と言えます。

つまり冒頭の「誰でも一度は遭遇する」という一文は、過大表現ではないのです。

事前に取れる対策とは?

それでは「株価の大暴落」に対して、どのような「備え」をすれば良いのでしょうか?

事前に取れる対策としては、次の4つとなります。(図1)

図1
対策の一覧

1.現金を蓄えておく
2.余力を温存しておく
3.デイトレードしかしない
4.「買い」のポジションを持たない

対策1 現金を蓄えておく

これが一番分かりやすい対策方法となりますが、余剰の現金を蓄えておく対策方法です。

蓄えておく現金は多いに越したことはありませんが、少なくとも現在所有している株と同額か、それ以上の金額を用意しておく必要があります。

現金さえあれば、それをもとに「信用取引」をすることできますので、「信用余力」を使って損失分のリカバリを図ることができます。

また「株価の大暴落」は株を安く取得するチャンスでもありますので、割安株を大量に増やすこともできます。

ただし余剰の現金を予め用意しておくのはなかなか困難なことですので、あまり実現性のある対策とは言えないかもしれません。

対策2 余力を温存しておく

これは対策1にもあった「信用余力」のことを指しており、リカバリ専用の余力を温存しておく対策方法です。

信用取引は資金の約3倍のレバレッジを使用することができますので、普段から資金と同額分だけのトレードを実施するように心掛けていれば、損失が出てしまっても残りのレバレッジでそのリカバリを図ることが可能です。

詳しいやり方は下記の記事に記載してありますので、よろしければそちらをご参照ください。

○関連記事
 No.014 塩漬け株の救済 ~方法Ⅱ~

ただしせっかく使用できるレバレッジを温存させるには、それなりの忍耐力が必要となりますので、こちらの対策も人を選ぶかもしれません。

対策3 デイトレードしかしない

これはデイトレードならではの特性を活かした対策方法です。

そもそもデイトレードは、トレードを翌日へは持ち越さずにその日の内に決済させてしまうため、大暴落の影響を受けることはありません。

ですのでデイトレードだけを実施していれば、それだけで大暴落の対策方法にはなるのです。

ですが、自身のトレードスタイルがデイトレードではない人からすればそのハードルは高く、大暴落ではない場面においても、結果的に大きな損失を出してしまう可能性があります。

ですので、こちらの対策も万人向けの対策方法とは言えません。

対策4 「買い」のポジションを持たない

これはトレードを一切しないという対策方法ではなく、信用取引の「空売り」を活用する対策方法です。

「空売り」は株価が下がれば利益が出るトレード方法となりますので、普段のトレードから「買い」のポジションは一切持たず、「空売り」のみを実施していれば、大暴落が発生しても影響を受けることはなく、寧ろ大きな利益を獲得することになります。

そしてこの対策方法の優れている点は、「大暴落」に匹敵するリスクが存在しないことです。

たとえどんなに景気が良くなったとしても、株価はゆっくり上がる特性があるため、市場全体が暴騰するような、いわゆる「大暴騰」が発生することはありません。

ですので、安心して株式トレードを継続することができるのです。

しかもこの対策方法はトレードスタイルを問いませんので、誰でも抵抗なく受け入れることができ、一番のお勧め対策となります。

対策をしていなかった場合には?

以上が事前に実施していればリスクを回避できる対策方法となりますが、もし事前の対策なしに「大暴落」にに巻き込まれてしまったら、どうすればいいのでしょうか?

直近ですと、コロナウイルス(新型肺炎)ショックの「大暴落」に無防備なまま巻き込まれてしまった方も多いのではないでしょうか?

残念ながらその場合は無傷と言うわけにはいかず、対処方法として次の3択を迫られることになります。(図2)

図2
対処の一覧

1.損切りをする
2.所有株数と同数の「空売り」を実行する
3.塩漬け株にする

対処1 損切りをする

これは早ければ早いほど効果がありますので、「大暴落」が発生した日の「前場の寄付」で決済するのがベストです。

ただしそれには尋常ならざる判断力と決断力を必要としますので、それなりの覚悟を決めていただくしかありません。

対処2 所有株数と同数の「空売り」を実行する

これは下がり続ける損失を止め、次の展開に繋げることもできる対処方法ですので、こちらを選択されることをお勧め致します。

詳しいやり方は下記の記事に記載してありますので、よろしければそちらをご参照ください。

○関連記事
 No.013 空売りの勧め

また余力が足りずに「空売り」を実施することができない場合には、所有株の半数を損切りし、その資金を「空売り」に充てると言う方法もありますので、最後まで諦めないで下さい。

対処3 塩漬け株にする

このサイトを訪れた方で、もはやこの選択肢を選ぶ方はいらっしゃらないとは思いますが、これも対処方法の一つとなります。

ですがこれを選択してしまうと「時間」を浪費することになり、全てのトレードチャンスを失うことになりますので、その辺のことをご理解いただいた上で実施するようにして下さい。

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 No.006 塩漬け株の恐怖

以上が事前に対策をしていなかった場合の対処方法となりますが、やはり「大暴落」には対策方法の方が効果覿面となりますので、事前に準備するように心掛けて下さい。

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